目 次
内容証明郵便
内容証明郵便の記載例
契約書
公正証書
内容証明郵便とは、いつ、誰に、どのような内容の文書を出したか郵便局が証明してくれるものです。
郵便局では、文書の控えを保管しておくとともに、基本的には郵便を受取人に手渡しで交付し、その日時などを記録してくれます。
紛争当事者間で、どのような内容の文書をいつ送付したか、ということが争点になることがあります(契約解除の意思の通知や、債権の請求時期など)。
もし、内容証明郵便を利用せずに、普通郵便などで文書を送付した場合、紛争の相手方から「郵便を受け取っていない」とか「受け取った文書の内容は差出人が主張するようなものではない」などといった言い逃れがされる可能性があります。
これに対して、内容証明郵便によって送付すると、送付時期、文書の内容を郵便局が証明してくれるので、上述のような受取人(紛争の相手方)の言い逃れを防止することができるのです。
内容証明郵便の記載例・文例を、参考として挙げております。
事例に応じ、必要な記載事項を付加したり、修正してご使用願います。
世の中には、売買契約、賃貸借契約など様々な契約があります。契約とはごく単純化して述べると、当事者間での約束事を言います。
契約書とは、このような約束事の内容を書面に記したものをいいます。
したがって、当該書面のタイトル、表題に「契約書」と書かれていなくとも、当事者の間で約束したことを書面に記したものであれば、契約書ということができるでしょう。
例えば、交通事故の加害者と被害者が示談をして作成した示談書や、離婚した男女が作成する養育費の支払などについて約束した内容をまとめた書面(離婚協議書)なども契約書の一種といえます。
当事者間で約束した事柄(=契約)は、口頭の約束であっても法律的には有効です。書面化しておらず、口頭だから無効、ということにはなりません(※)
では、なぜ、世の中では契約書を作成することが望ましいとされているのでしょうか。
最も重要な目的としては、口頭での約束では、後々、契約内容等を巡ってトラブルが生じる可能性があるので、これを防止する、ということです。つまり、口頭での約束では、「言った」「言わない」などの紛争が生じる可能性があるのです。
例えば、売買契約をしたのに買主が代金を支払わない場合を考えます。この場合、売主は代金支払いを裁判で求めることになります。しかしもしこの裁判で売買契約の内容が争われた場合、契約書がなければ、売買代金がいくらであったか、とか、あるいは売買契約があったことすら証明できない可能性もあるのです。
このように、法律上は口頭での約束(=契約)も有効なのですが、後々のトラブルを避けるために契約書を作成することはとても重要なのです。
※但し、保証契約など一部の契約は口頭では効力を生じません。書面で約束することが契約が有効となるための要件とされています。
公正証書とは、簡単にいうと、約束(=契約)などを、公証人が書面に記したものをいいます。
公正証書も契約書も、当事者の約束を書面にまとめたもの、という点は共通しているといえるでしょう。
ではどのような点が異なるのでしょうか。
最も特徴的な点としては、公正証書には判決文に準じる強い効力が認められる、ということです。
次の例で考えてみましょう。
(例)
売買契約をしたものの、約束に反し、買主が代金を支払わない
もし売買契約について公正証書を作成していない場合には、まず、代金支払を求めて訴訟を提起しなければなりません。すなわち、裁判所に訴えて、売主が買主に代金支払を請求できる権利があることを公に認めてもらう必要があるのです。
その上で売主は勝訴判決を得て、当該判決が確定したとします。
それでも買主が判決に従わず、代金を支払わない場合には、さらに強制執行を行うことになります。
強制執行とは簡単にいうと、相手方(この例では買主)の財産を差押え、当該財産を売却するなどして、判決文で認められた金額に充当することをいいます。
このように、売買契約について公正証書を作成していない場合、契約を守らず代金を支払わない買主に対しては、まず訴訟を行い、代金請求できる権利があることを公に確認した上、さらに、当該権利を実現するため強制執行という手続を経る必要があるのです。
公正証書を作成していない場合
一方、売買契約について公正証書を作成していた場合を述べます。
公正証書において、売買代金として、お金を支払うことを約束していた場合には上述したような訴訟を行う必要がありません。買主が約束(=契約)を守らず、お金を払わないなら、訴訟を経ることなく、いきなり強制執行を行うことが可能です。
このように、公正証書には判決文に準じた効力が認められるのです。
公正証書を作成した場合
公正証書は、公証人という法律の専門家が作成したものです。すなわち、公証人は元裁判官など、法律の実務に長年携わってきた者のなかから法務大臣により選ばれます。このような資格を有する専門家が当事者の話を聞いて作成するものなので、公正証書には判決文に準じる強い効力が認められているのです。